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【ヒグチ式通信vol.6】親と子の勉強心理学「お手伝いをしていた子供が、茶碗をわった時」

ヒグチ式の開発者である樋口先生の教育哲学をご紹介する「ヒグチ式通信」。

第6回目となる今回は、親と子の教育心理学(第2話)として「お手伝いをしていた子供が、茶碗をわった時」についてご紹介していきます。

日頃の子育てにつながるような情報をご紹介していきますので、ぜひ最後までご確認ください。

親と子の教育心理学 第2話 「お手伝いをしていた子供が、茶碗をわった時」

こんな場面を想像して下さい。

お母さんがキッチンで食器を洗っているとき、となりで子供が手伝っています。ところが、子供は洗っていた茶碗をすべらして、割ってしまいました。お母さんならどうしますか。

「大丈夫? 怪我しなかったかい」と心配しますか。それとも、割った茶碗が高価だったら「これ、高かったのよ!」と叱りますか。

お母さんの反応によって、子供は変わります。お母さんの優しさを感じると “やる気”になるし、「お母さんはお金のことばかり考えている」と感じると“反発”することもあります。

お母さんのお手伝いをしたかったのです。お母さんに喜んでもらいたかったのです。茶碗をわってしまったら「これからきちんとしよう!」と、自分で十分に反省しています。それ以上の「注意」は逆効果です。

私たちは人を判断するとき“目に見える部分”を手がかりにしています。しかし、目に見える部分がその人の全部ではありません。目に見えない部分にも、良いものがあります。このことに気づくと目の前の人を、一層尊重するようになります。

もしも「心の中が見えるメガネ」をかけたら,何が見えるでしょうか?お母さんに喜んでもらいたい「思いやり」が見えてきます。すると感情に引きずられて叱らなくなり、適切に対応できます。これが子供の意欲を引き出す方法です。

ところでお母さんご自身が失敗したら、どうなさいますか。ご自分でご自分を叱りますか。多分そんなことはしないと思います。

まず食器洗いという“良い目的(→ 目標)”が最初にありました。その良い目的を実行している途中で手をすべらせました。良い目的を思い出すので、後悔しても、他人を叱るのと似たことをしません。心のメガネの役割をしているのは「記憶」です。

この「茶碗洗い」は私が在職中、進路指導部長のとき進路講演会(学年別)で保護者にした話です。いつも、学年の半数以上が出席してくれていました。

この熱心な保護者に「ご家庭で役に立つ、お土産」を持たせたかったのです。親の熱意に動かされて、応援したくて、このようなたとえ話をつくりました。

 お土産の趣旨は、親に反発する行動が子供に現れても、感情に引きずられないで、冷静なって対応してほしい、ということでした。冷静にならないと、適切に判断できないからです。対応の仕方は色々あります。子供のことを真剣に思う親の行動は、どの行動も、やがて正解に到達します。

最初はたとえ反発されても、率直な感想を親が子供に伝えるのは、大切なことです。親の言葉が子供を真剣にさせる、きっかけになります。しかし目標にたどり着き、好転する手柄は、子供自身の努力に譲るべきです。親はあくまでも、方向付けとサポートです。

茶碗洗いに話をもどします。

このようなとき、お母さんにとって困る事は、どんなことでしょうか。「もう、失敗したくない」と消極的になって、お手伝いをしなくなることです。

お母さんにとって嬉しくなることは、どんなことでしょうか。それ以後、洗い方を工夫している子供を見ると、心強くなります。それまで出来なかったことができるようになり、のびのび行動している姿をみると、嬉しくなります。

失敗と見えたことが、前進のきっかけになります。子供の失敗を見たとき、立場を逆転させて、親が子供のときのことを思い出すこともあります。これも心のメガネです。親に感謝の気持ちでいっぱいになります。

私たちは環境を目で見ながら(目でモニターしながら)行動しています。そのとき実は「視覚」に「記憶」を重ね合わせて判断しています。したがって同じものを見ても、感じ方(判断の仕方)は人によって異なります。経験が異なるからです。

このことを思い出すと気持ちに余裕ができて,相手に通じる対応になります。

試験のとき、問題を正確に読まないで、思い込みのために間違うことがあります。目には正しい文字が入って来ますが、それに「思い込み」を上書きして、自分勝手な判断をしているのです。

それでは,どうしたら良くなるでしょうか?

あとでいいから、判断部分をもう一度「直して」、やってみることです。試験なら、答案を「やり直し」してみることです。試験中はできないのですが、声に出してみる方法もあります。目で文字を追いかけながら、集中して声を出し、耳で確かめます。

茶碗洗いのとき「こうしてしっかり持って、良く見て、ゆっくり洗ったら、うまくできるのよ」と洗い方を見せて、親子で一緒に茶碗を洗うと、スッと子供の心に入ります。

 

【ヒグチ式通信No.6】今回のポイント

今回は親と子の教育心理学(第2話)「お手伝いをしていた子供が、茶碗をわった時」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 「親御さんは、お子さんが自分自身の力で問題を乗り越えられたと感じられるように、方向付けとサポートを」
  • 「人は目に見えているものに自分を記憶を重ね合わせながら判断、行動していますが、記憶(経験)はそれぞれ異なるため、同じものを見ても人によって感じ方が異なります。自分の感情だけに引きづられることなく、親御さんにとってもお子さんにとっても前進できるような対応を」

今回のまとめとして、上記2点を今後の子育てに活かしていただければと思います。

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