【ヒグチ式通信vol.8】箱を作ると、その箱の中に物を入れたくなる
ヒグチ式の開発者である樋口先生の教育哲学をご紹介する「ヒグチ式通信」。
第8回となる今回は、「箱を作ると、その箱の中に物を入れたくなる」についてご紹介していきます。
子供の好奇心や、子供がのびのびと成長するために大人がすべきことなどについてご紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。
【ヒグチ式通信vol.8】箱を作ると、その箱の中に物を入れたくなる
北海道の冬は雪が積もります。
歩道と車道の間に、畑の「うね」を大きくしたような雪の壁ができ、 片道二車線の車道が片道一車線になります。
そんな冬道をお母さんと子供が歩いていました。
子供はイタズラが大好きです。 その雪の壁に手袋をはめた手を突っ込んで、「手のあと」の穴をつけて遊んでいました。子供は変化する形を見ると、面白く感じるのです。
特にその雪穴が「自分の手の形」なので、一層面白く感じるのでしょう。
子供が遊んでいる様子を、お母さんは少し離れたところから優しく見守っていました。これだけで立派な教育(子育て)です。子供の行動を肯定(応援)しています。
子供がのびのびと行動しています。好奇心がますますふくらんでいきます。
子供は好奇心のカタマリです。
大人から見たら「何の変哲もない普通の変化」でも、子供から見たらその変化が面白いのです。
子供の見る世界は大人の見る世界よりも小さいので、子供にとってその変化は大きく感じます。また、経験が少ないので、自分の経験を新鮮に感じます。
雪の壁を見ると、そこに「自分の手の形」をつけてみたくなります。
箱を見ると、その中に「物」を入れたくなります。
勉強の点数を記入できる進捗シートを見ると、そこに「自分の点数」を入れてみたくなります。点数を入れると、その次に「もっと良い点数」を入れたくなります。
点数が良くなることが面白いのです。
子供は特に変化を求めますが、その変化は「良くなる変化」です。
雪だるまを作るとき、最初は「胴体の上に頭を乗せた雪だるま」ができたら嬉しくなります。しかし何回も作っていると、慣れてきます。すると、顔に目や口をつけたり、形の良いもの作ってみたくなります。
子供は好奇心のカタマリです。
そして、もっと良いものを求めて行動する向上心を持っています。 向上することに喜びを感じています。
私たち大人がするべきことは、「子供が喜んで向上する場」を与えることです。
【ヒグチ式通信vol.8】今回のポイント
第8回ヒグチ式通信では「箱を作ると、その箱の中に物を入れたくなる」についてご紹介しました。
今回のポイントは”好奇心の強い子供に対して大人がすべきことは、子供が向上できる場を与えること”です。
子供は身の回りにある色々なものに興味を示しますが、それに対して大人が否定してしまうと、子供が成長する機会を失ってしまう可能性があります。
一方で、色々なものに興味を示す子供に対して向上できる機会を与えることで、子供はより良いものを作ろうとのびのびと成長していきます。
ぜひ今回の教育哲学を日々の子育てに活かしてみてください。