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【ヒグチ式通信vol.5】親と子の勉強心理学「服装違反の生徒が改善」

算数・数学の学習教材『ヒグチ式』の開発者である、樋口先生の教育哲学を発信する”ヒグチ式通信”。

第5回目となる今回は、親と子の勉強心理学(第1話)として「服装違反の生徒が改善」をテーマに、樋口先生が35年の教職経験で培われた教育哲学をご紹介していきます。

ぜひ最後までご確認いただき、日々の子育ての参考になさってください。

親と子の勉強心理学 第1話 「服装違反の生徒が改善」

私は私服の学校に勤めていたことがあります。

私が授業していたクラスに、膝上までの長い、奇抜なストッキングをはいている生徒がいました。

それがなんと、組み合わせが日替わりで、左右の色が違っていたのです。とても目立ちました。

その生徒は勉強が苦手でした。授業中、私も教えるのに苦労していました。そんなストレスのたまる授業が続いていました。

ところが学校祭の準備のとき、副担任の私は、彼女がいる教室に作業の見回りに行きました。そのとき、すごいものを発見したのです。

夢中になって仮装の縫い物をしている彼女の姿を「見てしまった」のです。ひたむきに作業に取り組んでいる彼女の姿に、私は感動しました。

翌日、授業のとき「私は素晴らしい姿を見ました」と、彼女に小さな声で伝えました。

それからです。すべてのことが好転しました。

授業中の態度が前向きになり、廊下ですれちがうとき、ニコヤカに挨拶をするようになりました。

美容師を目指していた彼女は、奇抜なストッキングをはいて、周囲の人の反応を試していたのです。はたから見ると迷惑な行動ですが、本人にとっては探究心の一種でした。

先生から注意されることを承知のうえで、自分の興味を追求していた彼女は、気持ちがわかってもらえる人には、前向きな態度になりました。

ただし、奇抜なストッキングは同じでした。それ以後の私は、信頼関係ができていましたから、廊下ですれ違っても、心の中で応援していました。

直して欲しい(大人の価値判断から見ると)欠点を指摘しても、指摘された生徒は不快を感じて反発するだけです。

大人は「子どもが注意を受けて不快に感じたら、その不快を解消するように行動するだろう」と期待して注意します。

しかし実際には「感じた不快」だけが残って,改善の行動に至りません。

何故なら、欠点として指摘されることは「人格を否定される」と感じるからです。否定されたことから、積極的な行動は出てきません。

欠点を指摘する人は具体的な改善方法まで注意(説明)が至らないことが一般的です。これでは思いやりの気持ちが十分と言えません。

具体的に表現するには、努力が必要です。大人が子供に勉強することを求めるように、大人も自分に対して「大人の立場の努力」が求められます。

良い点に気づいたら、その良さが相手に伝わるように、行動にあらわす努力が必要です。

言葉で認められると、人格が肯定されたと感じて、気持ちが良くなります。認められた(共有する)言葉がきっかけになって「もっと認められたい」気持ちになります。

もっと良い方向に行動したくなります。

つまり、認められた方向に好転します。気持ちが前向きになると、前向きな気持ちが、別の分野「勉強」にも影響します。

「欠点と見えること」と「良いこと」が混在しているとき、「良い」ことだけが認められると、欠点も修正したくなります。

人間は2つのことを同時に感じることはできません。ほめられたとき、欠点は意識から消えています。

彼女が卒業して数年後、私は彼女が勤めている理髪店に行って、散髪してもらいました。楽しい時間になりました。

 

【ヒグチ式通信No.5】今回のポイント

最後に、今回のポイントについてお伝えします。

子供が努力していることを発見したら、たとえそれが小さなことでも、大げさに認めましょう。

受けた前向きの言葉によって、子供にとって世界(視野)が広がります。

子供の積極的な行動を、親が発見して、喜びを親子で共有しましょう。

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