【ヒグチ式通信vol.2】入れ替え練習で簡単な数字しか入れない子供への指導法
学習教材『ヒグチ式』の作成者である樋口先生の教育哲学を発信する”ヒグチ式通信”。
ヒグチ式通信2回目となる今回は「入れ替え練習で、すべて簡単な数字を入れて、計算する子供への指導法」についてご紹介していきます。
お子さんが算数の宿題で手抜きをしていると感じている親御さんはぜひ参考にしてみてください。
TOPICS
【ヒグチ式通信No.2】入れ替え練習で簡単な数字しか入れない子供への指導法
まずは、「入れ替え練習で、すべて簡単な数字を入れて、計算する子供の指導法」に対する、樋口先生の見解をご紹介します。
樋口先生の見解
貴重な,そして率直な感想です。私の塾にもこのような生徒がいました。
生徒の数字を見て「今は,この学力段階なのだ」と私は判断しました。この数字のレベル
を見て,指導方針を考えました。計算力がアップすると数字も変わってきます。このような生徒を見るとき,2 つの視点があります。大人と同等に近い立場で見ると, 手抜きをしていると感じます。腹が立ちます。または,こんなことしかできないのかと 情けなく思います。立った腹を直接行動に表すと,指導者の権威を失います。指導者が 生徒と同等に落ちるからです。尊敬する者に従うので,子供は指導者に従わなくなります。 情けなく思って同情されると,子供は低く評価されていると感じるので,これも学習意欲低下につながります。
もう一つの視点は,この生徒を伸ばすにはどのような方法があるのか,指導を工夫する視点です。それには,何故このような手抜き入替をするのか,その理由を考えてみる必要があります。
本来は(勉強したら)きちんと答えられるけど,今は別の理由で手抜き学習に見られる解答をしている,と考えては如何でしようか。これから向上するための前段階だと見るのです。指導者の対応が変わると,子供の気持ちも変わります。
計算力を上げるには,どのような方法があるのか,子供に考えさせては如何でしょうか。
たし算・引き算の繰り上げ・繰り下げなど,生徒にとって苦手な計算は自分でわかっていることがあります。生徒と会話しながら,まず先生が「計算しやすい数字の組み合わせ」を示して,それを参考に入れかえ練習をさせる。慣れてきたら,難しい組み合わせを探させる。手抜き入れかえを「性格に由来する」と考えると,人間関係の大事なものを失います。
「数字の組み合わせ」を簡単な場合から始めると,生徒は先生の指導を受け入れます。生徒にとって大きな進歩でも,大人からみると小さな進歩のことがあります。
「少しでも向上した」入れかえ練習に気がついたら,それを大げさすぎるくらい喜ぶことが,前進のきっかけになります。子供は大人が喜ぶのを待っている。大人の喜びは子供の快感につながる。快感は向上心を促す。
ポイント 手抜きをしているのではなく、向上するための前段階
子供の学力はそれぞれ異なるとわかっていても、子供が入れ替え練習ですべて簡単な数字を入れて計算していると、先生や保護者としてはついつい腹が立ってしまうこともあるかもしれません。
特に家庭では、”姉はきちんと計算力が上がるように入れ替え練習をしているが、弟は簡単な数字でしか入れ替え練習をしない”といったように、兄弟姉妹間で比較してしまい、腹が立ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
子供を指導する時に重要なのは、他の子供と比較してできないことに対する苛立ちの感情をそのまま子供にぶつけたり同情したりするのではなく、どのように指導すれば目の前の子供がさらに伸びるのかを考えることです。
子供と会話していると、一見サボっているように見える行為でも当人からすると別にサボっているわけではなく、ただ計算力を上げるための方法を知らずに解き進めてしまっているということに気付かされる時があります。
そのため、ただサボっていると決めつけずに子供との会話のなかで、入れ替え練習で簡単な数字しか入れない理由を探りながら、子供の学力をさらに伸ばすためにはどのような指導をすればよいかを考えていくと良いでしょう。
そうすれば、自ずと「計算力を上げるための方法を伝える」「まずは計算しやすい数字の組み合わせの計算例を示す」といった指導法に変わっていきます。
子供によって最適な教え方はそれぞれ異なります。
それと同時に、子供の進歩に気づいた場合は必ず喜んだり褒めることも重要です。
ぜひ同じような悩みを持たれている親御さんは、まずは子供の対話の中で手抜きの学習をしてしまっている理由を探りつつ、最適な伝え方を見つけていってください。
五條しんまち塾では「ヒグチ式を使ってみたい!」というお子さんを募集しています!
ヒグチ式は確かめ算・入れ替え練習の2つが大きな特徴で、ヒグチ式で学習することによってお子さんの計算力や思考力を鍛えることができます。
また、ヒグチ式は今回ご紹介したような樋口先生が35年の教職経験で積み重ねてきた教育哲学を知ることによって、お子さんだけでなく親御さんにとっても役に立つ学習教材となっています。
算数・数学の問題と解答はデータベースによって共有させていただくため、場所を問わずどこにお住まいの方でもヒグチ式をご使用いただくことができます。
ぜひご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。