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【ヒグチ式通信vol.1】算数の問題で答えだけを書き写している子供への指導法

学習教材『ヒグチ式』の作成者である樋口先生の教育哲学を発信する”ヒグチ式通信”。

ヒグチ式通信1回目となる今回は「確かめ算を自分で計算しないで,答えだけを書き写す生徒への指導法についてご紹介していきます。

お子さんが算数の宿題で「答えだけ書き写してしまっている」というお悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

【ヒグチ式通信No.1】算数の問題で答えだけ書き写している子供への指導法

まずは、「算数の計算問題をしている時に、確かめ算を自分で計算しないで答えだけ書き写している子供への指導法」に対する、樋口先生の見解をご紹介します。

樋口先生の見解

樋口も実は、日々反省をして、向上を目指して努力している途中です。

私はこのような子供への指導について、人格を否定するような追い詰め方をしない方が、 やがて伸びる機会がきたら伸びる、と思うようになりました。人格的に否定したら、伸びようとする意欲が失われます。伸びる機会は個人差があります。

このような行動を先生や親御さんが見たら、一種の不正行為に似ているので、腹が立ちます。 それは人間として自然な感情です。しかし、一般的な人間の感情と、生徒を育てる気持ちとは別です。

できない子を「できる子」に育てるには、ある意味で指導者に我慢強さが必要です。 それを、叱りつけて、強制的にやらせても、子供は心の中で納得しません。叱りつけるのは、指導に自信がないから、指導を続ける我慢強さに欠けるからです。

何故、答えだけ書き写して済まそうとするのか、子供によって色々な理由があります。 例えば、計算するのが苦手だ。どうせ同じ答えになるのに、確かめる意味がわからない。 時間がもったいない。答えだけ書き写して、先に進みたい。

側で見ている先生や親御さんは、その子供の理由が分かると思います。言葉で聞いても良いと思 います。「実際に計算する方が、実力がつくと私は思うが、君は実際に計算しないのはどうしてですか。」「山に登った気になるのと、実際に山に登るのでは、身に付くものが 違いますよ。」側で見ている先生や親御さんが推し測って助言するのです。

たしかめ算をするだけの力が弱いから、弱い力を発揮するのが面倒で、書き写している 子供もいます。ていねいにたしかめ算を続けると、計算力という知的な体力がついてきま す。そうすると、苦もなく確かめ算をするようになります。

「できるようになること」は面白い。面白いことは、もっとやりたくなる。

これが人間の本性です。

 

ポイント① 人格否定をするような怒り方をしない

小学生のお子さんがいらっしゃる親御さんは、横に付きながらお子さんの勉強をサポートする機会が多いかと思います。

お子さんの勉強をサポートしている中で、お子さんが答えを写しているのを見かけるとついイラッとして、以下のように怒りをぶつけてしまうこともあるのではないでしょうか。

  • 「おまえはバカだ」
  • 「どうしてできないの?」
  • 「そんなんだからあなたはダメなのよ!」

しかし、こうした人格を否定するような怒り方はできないことをできるようにするどころか、むしろ子供は「自分はダメな人間なんだ」と思い込み、子供の自己肯定感を下げてしまいかねません。

その結果、子供が勉強する意欲を失ってしまっては逆効果ですし、仮に強制的に確かめ算をさせられている感覚を子供が持ってしまうと、「確かめ算をしないと怒られるから」という外発的動機づけによって確かめ算をするようになり、子供の主体的な学習姿勢が失われてしまいます。

子供と一緒に学ぶ意識を持つことが重要

答えだけを書き写して済まそうとする子供に対して腹が立ったときの対策として、「一緒に学ぶという意識を持つこと」が大切です。

樋口先生の教育哲学の中には“先生の先生は、生徒”というものがあります。

“先生の先生は、生徒”は、先生自身が「先生が上、生徒が下」という固定観念を取り払って生徒をよく観察することで、目の前の生徒にとって「今、どのような説明・指導方法が必要なのか」に気づくことができ、自身の指導レベルをアップさせることができるという考え方からきています。

そして、目の前の生徒にとってふさわしい指導方法を見つけるために、ひたむきに努力する先生の姿が生徒にも伝わり、生徒は先生の指導を受け入れる気持ちになり、お互いに高め合える関係になります。

“先生の先生は、生徒”は、先生−生徒の関係だけでなく親−子の関係でも同じように使える考え方です。

お子さんの行動からどのような教え方・伝え方をすれば、”できない”から”できる”に変えることができるのか、一緒に学ぶ意識を持って我慢強く接していきましょう。

ポイント② 答えだけを書き写している理由を見つける

樋口先生の見解の後半には、もう一つ重要なポイントがあります。

「何故、答えだけ書き写して済まそうとするのか、子供によって色々な理由があります。」

「側で見ている先生や親御さんが推し測って助言するのです。」

“子供が確かめ算の答えだけを書き写している理由を見つけ、助言すること”です。

  • 「解き方がわからない」
  • 「簡単すぎるからわざわざ確かめる意味がわからない」
  • 「早く終わらしたら、そのあと遊べるから」

など、子供が答えだけを書き写している理由はいくつも推測することができます。

単に、子供が答えを写していることに対する怒りをそのままぶつけていたら、上記のような理由を見つけることができません。

しかし、子供の表情や発言、行動をよく観察する、もしくは直接聞いてみることで、上記のような理由を発見することができ、それぞれの理由に対して適切な指導・助言をすることができるようになります。

「怒る」ではなく「一緒に学ぶ意識を持つこと」が重要

感情的に怒って子供に強制させることは簡単ですが、それが子供の成長に繋がるかというと疑問が残ります。

しかし、先生・親自身も学ぶ意識を持って子供の理由に合った指導や助言をすることで、子供が納得した上で勉強を進めることができますし、先生・親自身の教育・子育て力アップにも繋がります。

五條しんまち塾では「ヒグチ式を使用して学習したい!」という方を募集しています!

ヒグチ式は確かめ算・入れ替え練習の2つが大きな特徴で、ヒグチ式で学習することによってお子さんの計算力や思考力を鍛えることができますが、今回ご紹介したような樋口先生が35年の教職経験で積み重ねてきた教育哲学を知ることによって、お子さんだけでなく親御さんにとっても役に立つ学習教材となっています。

算数・数学の問題と解答、樋口先生の教育哲学はデータベースによって共有するため、遠方のご家庭でも問題ありません。

ぜひご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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