子育てにおけるお悩み相談〜子供の成績を上げるためのご褒美について
五條しんまち塾では毎授業後にメールにて授業報告や教育に関する相談などにお答えしています。
子育てにおけるお悩みでよく相談を受けるのが、「子供にご褒美を用意して勉強を頑張らせても良いのか?」という内容です。
今回はそんなお悩みに対して、科学的根拠に基づいてお答えします。
TOPICS
保護者の方からのよくある相談。子供にご褒美を与えると成績が上がるのか
結論から言うと「ご褒美には効果あり but やり方には注意」。
ご褒美が子供の成績を上げるというのは、アメリカにて対照実験が行われその効果が明らかになっています。
子供の成績とご褒美の関係性
子供に限らず大人もですが、何かの習慣を作る際にご褒美には効果があることが科学的に実証されています。
実際に正しいご褒美を与えて勉強習慣を作った子供の成績は、ご褒美制度を導入する前よりも上がるそうです。
2種類のご褒美の与え方
- 結果に対してのご褒美
- 努力に対してのご褒美
ご褒美の与え方は大きく分けると上記の2つがあります。
結果に対してのご褒美
テストで80点を取れたらお小遣いをあげる。
こちらはアウトプット(テストの結果など)に対して、一定のご褒美を用意するパターンです。
努力に対してのご褒美
1時間勉強したらお小遣いをあげる。
こちらはインプット(本を読む、勉強をする)に対して、一定のご褒美を用意するパターンです。
努力に対してのご褒美の効果が高い
出典:PRESIDENT
2種類のご褒美の与え方において、努力に対してご褒美を与えたほうが子供の成績が上がるということハーバード大学の実験で証明されています。
子供の学力がインセンティブによってどう影響されるかを調べる実験も行われています。なかでも有名なのは、約3万6000人もの児童・生徒が参加した、米ハーバード大学のローランド・フライヤー教授による大規模実験です。
フライヤー教授の実験には、大きく分けると2つのタイプがありました。一つは「学力テストや通知表の成績がよくなったら報奨金を出す」というもの。つまり「いい成績」というアウトプット(成果)に対して報酬を出したのです。
その一方、「本を読む、宿題を出す、きちんと出席する、制服を着る」といったインプット(投入)に対して報酬を与えるという実験も行いました。
結果を簡単にまとめると、大人に対する実験ではアウトプットにインセンティブを与えることで禁煙や運動を習慣化することに成功したものが多いのに対して、子供の学力を上げるためには、インプットにインセンティブを与えることが有効だということがわかりました。
引用:PRESIDENT
ご褒美制度を始める際はインプット、努力に対してご褒美を与えるように心がけてください。
努力に対するご褒美に効果がある理由
これは上記の実験結果に対する考察です。
結果に対する報酬というのは、元々学力の高い子供には効果があり、学力が低い子には効果が小さいのではと考えています。
結果に対する報酬は、その結果を出すための方法(具体的な努力の仕方)が示されておらず、その結果を出すための方法が分からないと予想しています。
元々学力が高い子供はどのような勉強すればその点数を取れるかが分かるのでそれに取り組むでしょうが、学力の低い子供は点数を取るための勉強方法が分からないので、結果として効果が小さいのかと思います。
努力に対するご褒美は何をすべきかが明白なので誰でも取り組み、結果として点数が上がるという仕組みなのでしょう。
ご褒美とは別に褒めることの大切さ
褒めるというのも成績を上げる上で効果的ですが、こちらは諸刃の剣です。
やり方を間違えると効果がないだけではなく、成績を下げてしまう可能性があります。
ご褒美を上げる際は必ず、「能力」を褒めるのではなく、「努力」を褒めてください。
褒め方の例
- 今日も一時間勉強できたの偉いね
- 今月は遅刻も欠席もなく頑張ったね
- 今日も自主トレよく頑張ったね
これらのように努力に対して褒めてあげましょう。
NGの褒め方
- 今回もいい点数だね、頭がいいね
- あなたは才能があるの
このように能力を褒めるのは辞めましょう。
かえってプレッシャーになって、子供の成績が落ちることがあります。
五條しんまち塾での取り組み
五條しんまち塾では自立型学習スタイルを徹底させることで、子供が自立していけるように指導しています。
その中の取組の一つが、自らで家庭学習で何をするのか考えて実践するということ。
従来の学校や学習塾では宿題を先生が決めてただそれをやらせてきました。
しかし、それでは子供が自分で考えず先生に依存してしまうので、五條しんまち塾では自ら考えて宿題を設定するようにしています。
私たちはその宿題の内容を決めてそれをやってきたらしっかりと褒めるようにしています。
正解率が悪くてもやってきた努力を褒めます。
そうすることで子供の勉強習慣が身につき、結果として点数も上がってきました。
ご褒美を上手く活用して子供の成長を加速しよう
ご褒美×子育てについてご紹介しました。
ご褒美や褒めるのは「努力」に対して行うことで、子供の成績が上がっていきます。
これは科学的に実証された結果ですので、皆さんもぜひ実践してください!
他にも科学的根拠に基づいた効率的な勉強法をまとめていますので、興味のある方はこちらもご覧ください。